インナーチャイルドを癒す必要はない? ―過去と向き合うことの重要性

こんにちは!『変容のフェーズ診断Ⓡ』メイです。

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私たちの心は、自分で気づける「意識」よりも、見えない「無意識」の影響をはるかに強く受けています。
過去の出来事や幼少期の体験からつくられた“感情のOS”は、普段の行動や感情の大部分を自動的に動かしています。

だからこそ、「それでどう感じた?」「次はどうすべき?」といった現在の思考だけに頼って矯正しても、根本的な変化はなかなか起こりません。

この記事では、

  • 「今ここ」を重視する現在志向のアプローチと
  • 無意識や個人史を深く掘り下げる深層的アプローチ

この二つを心理学の観点から整理しながら、私がカウンセリングの現場で感じてきた「本当の癒し」への道筋をお伝えします。

心の悩みを解決する二つのアプローチ

心の問題へのアプローチには、大きく分けて二つの方法があります。
一つは「過去の辛い体験と正面から向き合う」方法。もう一つは「今の自分をそのまま受け入れる」方法です。

どちらも一見すると有効に思えますが、カウンセリングの現場で多くの方と向き合ってきた経験から言えば、本当の意味で深く癒されるためには、やはり過去の体験と向き合うプロセスが欠かせないと感じています。

「今を大切にする」アプローチの魅力

注意:本章における「今を大切にする・今ここを生きる」アプローチについて

この章で言及している「今を大切にする・今ここを生きる」アプローチとは、過去の体験よりも現在の目標設定に重点を置き、行動変容によって問題解決を図る立場を指しています。

これは、私が提唱するフェーズ5の状態で到達する「今ここ」の感覚とは本質的に異なるものです。フェーズ5における「今ここ」とは、過去の体験を深く理解し統合(受容)した結果として自然に現れる、揺るぎない現在への集中状態を意味します。これは過去を排除するのではなく、過去を受容し統合することによって獲得される、より深い現在感覚なのです。

両者は表面的には似ているように見えますが、そのプロセスと質において根本的に異なることを、あらかじめお断りしておきます。

今に注目することを意識し、過去にとらわれず生きるという考え方には確かに魅力があります。

  • 「昔の嫌な出来事をわざわざ思い出さなくてもいい」
  • 「今の自分をありのまま受け入れて前向きに進もう」

このような姿勢は優しく、取り組みやすく感じられます。精神的な負担も少なく、日常生活に取り入れやすい方法です。

しかし、現実はそう単純ではない

感情が大きく揺れている最中に「自分を受け入れる」ことは容易ではありません。
例えば職場で上司に理不尽に叱責され、怒りや悔しさで胸がいっぱいになっている時、「冷静になろう」「今の自分をそのまま受け入れよう」「次にこの悔しさを味わわないためには今どうすれば?」と言われても、実行できる人は多くありません。

むしろ「なんで自分はこんなに感情的になってしまうのか…」と、さらに自己否定を深めてしまうことも少なくないのです。

意識の表層だけでは根本的な解決にならない

たとえば、友人から少し冷たくされたときに「嫌われたのでは」と落ち込む人がいるとします。
「今ここ」を重視するアプローチでは「人から嫌われるのが怖いんだ」と気づくまでで終わってしまいがちです。

しかし、その背後には「幼い頃に十分に愛されなかった寂しさ」や「一人ぼっちだった不安」が潜んでいる場合があります。そこに目を向けなければ、人を変え場所を変え、再び同じ反応が繰り返されてしまいます。

心の「反応のクセ

私たちの心には、幼少期の経験によって形成された「反応のパターン」があります。
例えば、幼い頃によく叱られて育った人は、大人になっても無意識に上司の顔色をうかがってしまう――これは本人の意思ではなく、自動的に起こる反応です。

表面的な方法では、このパターンは変わりません。似た状況に直面すると、再び同じ反応が出てしまうのです。

「今だけ」で十分な人は限られている

実際、「今の自分を受け入れる」だけで十分に楽になれる人は多くありません。
それが可能なのは、

  • 深く傷つく経験がほとんどない人
  • 幼少期から安定した愛情を受けて育った人
  • 現在の生活環境が安全で安心できる人
  • もともと回復力が高く、立ち直りが早い人

こうした条件が揃う人は、決して多くないでしょう。多くの人は何らかの心の傷を抱えています。その場合、過去との向き合いが不可欠になります。

無意識の心の反応パターン

私たちの心には、子どもの頃の経験から自然に身についてしまった「反射的な反応のクセ」があります。

例えば、小さい頃によく厳しく怒られていた人は、大人になっても目上の人や強い口調の人を前にすると、理由もなく緊張したり萎縮したりしてしまうことがあります。

これは、頭で考えてやっているのではなく、身体や神経が覚えてしまった自動的な反応です。

実は、私たちの行動や感情の多くは、こうした過去の経験から作られた“無意識の仕組み”にコントロールされています。

それなのに、今起きている出来事だけを見て、
「それでどう感じた?」
「ではどうしたい?」
「そのためには今どう行動する?」
と、頭で考えることだけに頼っても、根本からは変わりにくいのです。

なぜなら、無意識の反応は頭で考えるよりもずっと速く働くからです。意識で「こうしよう」と思う前に、もう感情や身体が動き出してしまっているのです。

だからこそ、過去の体験で身につけてしまった“心のOS”や反応のクセを見直して修正することが重要なのです。多少時間がかかっても、結局その方が早く、そして長く続く変化をもたらします。

表面的な方法だけでは、この深いレベルで反応するクセは変わらず、似たような場面になるとまた同じ反応が出てしまうのです。

過去と向き合うことで得られる変化

感情の正体がわかる
漠然としたイライラや悲しみも、「あの時の感情だったのか」と理解できるようになります。正体がわかるだけで、感情は和らぐものです。

感情に振り回されなくなる
なぜその感情が生じるのかが分かると、「またこのパターンだ」と客観的に捉えられます。感情に呑まれるのではなく、一歩引いて眺められるようになります。

本当の自己受容が可能になる
「今の自分でいい」と思い込むのではなく、過去の自分も含めて全てを受け入れられるようになります。

簡単ではないが、確かな道

過去と向き合うことは楽な作業ではありません。時には辛い記憶を再び感じることもあります。
しかし、その先には、同じ問題を繰り返さずにすむ自由があります。

一時的に気持ちを軽くする方法は数多くありますが、根本的な解決には至りません。同じテーマが形を変えて繰り返されてしまうのです。

【さいごに】心の土台を整えるために

もし心の悩みから本当に解放されたいのなら、勇気を持って過去と向き合うことをお勧めします。
それは過去にとらわれ続けることではなく、理解し受け入れることで、より自由で安定した「今」を生きるためのプロセスです。

「今を大切にする」姿勢も価値ある考え方です。しかし、その力が最大限に発揮されるのは、心の土台が整っている時です。まずは過去の自分としっかり向き合うところから始めてみてください。

※この記事は専門的な経験に基づいて執筆しています。過去のトラウマに取り組む際は、必ず専門家のサポートを受けることを推奨します。

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